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2007年08月 アーカイブ

2007年08月31日

医療事務の仕事


医療事務は、病院などで行われる事務作業全般のことをいいますが、一般の会社の事務作業とは大分異なります。

医療事務にも、それぞれの業務があり、大きく5つに分類されます。

・受付業務
受付では、診察券や保険証を預かる、新規の場合は診察券を発行する、診察室に患者さんを案内する、診察終了後、診療代金を計算して患者さんに請求するなど、患者さんがスムーズに診察をうけられるように準備をします。

医療事務の仕事として第一に挙げられることです。

受付は医療事務職員の中で、最も患者さんと接する機会が多いといえます。

・医事課業務
医事課では、患者さんの会計の際に必要な事務作業をしています。
その中の最も大切な業務が「レセプト」です。

「レセプト」とは、診療報酬明細書のことで、患者さんに対しての治療内容、検査の有無、検査の内容、処方した薬など、診療内容についてまとめられたものです。

日本では、ほとんど全ての人が何らかの医療保険に加入しています。
そのため、病院などの診療費は、患者さん本人と、その患者さんが加入している医療保険団体(保険者)が負担することになります。

例えば、社会保険の場合では、かかった医療費の3割を患者さんが、残りの7割をその患者さんが加入している保険者が負担することになります。

レセプト業務とは、患者さん一人ひとりのレセプト(診療報酬明細書)を作り、その患者さんが加入している保険者に、診療報酬を請求するまでの作業のことです。

・外来クラーク・病棟クラーク
外来クラークでは、外来患者さんの受診の受付、案内、カルテの準備、検査データやX線フィルムの整理などを行います。

病棟クラークでは、各医院内の各病棟で、入・退院の手続き、病棟の案内、入・退院患者の台帳整理、検査伝票や日報の整理、看護師の勤務表管理などを行います。

受付が病院の総合受付だとすると、外来クラークや病棟クラークは部署別受付ということになり、医師、看護師など、医療スタッフとの対応が多くなります。

・医療秘書業務
規模の大きな病院には、多数の診療科があり、医師や看護師の数も多くなります。
それらの方々の業務を管理・サポートするのが医療秘書になります。

医療秘書は、医療事務の技能だけでなく、秘書としての技能も必要とするため、専門性の高い業務になります。

これらの5つの業務はそれぞれが連結していて、病院によっては、受付が外来クラークや病棟クラークの業務を行ったり、医事課が医療秘書の業務を行ったりしていることもあるようです。

病院と診療所の違い


病院とは、医師または歯科医師が診察・治療を行う施設のことで、医療法では病床数(入院用ベッド数)が20以上あるものをいいます。

また、病床数が19以下の医療機関のことを診療所とし、どちらも法律で定められています。

診療所は「クリニック」や「医院」などと呼ばれることもありますが、これはあくまでも通称で、法律で定められている正式名称は「診療所」です。

診療所にも病院と同様に医療事務職員を必要とする業務があります。

規模の大きな病院(病床数100以上の総合病院など)では、医療事務職員の割合は、医師・看護師などを合わせた全職員数の1割から2割でしょう。

100名くらいの職員が働いている病院では、医療事務職員は10~20名くらいになるでしょう。

一方、診療所では少人数で幅広い業務をこなすことが求められます。
診療所は、日本の医療機関全体の約60%を占めるといわれていて、小さな子供からお年寄りまで、気軽に通えるような医療機関です。

比較的軽い日常的な病状で診察を受ける人が多く、近所にあるなど、病院より身近な存在であると思います。

また、歯科診療所、調剤薬局などでも医療事務職員は活躍しています。

歯科診療所など、規模が小さい診療所では、人出不足のため、医療事務職員が受付も歯科助手も行うなど、医療事務以外の業務も求められることがあります。

調剤薬局では、チェーン展開しているドラッグストア内に調剤薬局を併設するなど、調剤薬局が増えているため、医療事務の採用枠が広がってきています。

医療保障制度


医療保障制度とは、医療事務の仕事をする上で知っておかなければならないことです。

日本の医療保障制度の体系は大きく分けると、社会保険や国民健康保険などの医療保険、老人保健、公費負担医療の3つがあります。

・医療保険
職域を基にした社会保険(被用者保険)と、居住地(市町村)を基にした国民健康保険に分けられ、日本では国民の誰もが、何らかの医療保険に加入する義務があります。

社会保険は、会社員や公務員などが被保険者として加入するもので、勤め先の加入している健康保険組合や共済組合などの医療保険団体が保険者として運営を行っています。

国民健康保険には、主に自営業の人や、その家族が被保険者として加入し、市町村が保険者として運営を行っています。

私たちは、収入に応じて、加入している保険者に保険料を支払い、そこから医療費が支出されます。

私たちが医療機関で治療を受けたとき、かかった医療費の一部は、医療機関に直接支払うことになりますが、残りの金額は加入している保険者に対して医療機関から請求が行われ、審査支払基金を通じて医療機関に支払われます。

その際に提出される書類がレセプト(診療報酬明細書)になります。

・老人保健
誰もが健やかな老後を送れることを目指し、原則として75歳以上の人が、少ない一部負担金で医療を受けられるようにしたものです。

老人医療費を国民が皆で公平に負担し、老人に対する医療を安定的に行うことを目的とするため、すべての医療保険の保険者と、国・市町村が共同で費用を負担しています。

収入によって負担の割合が違い、一定以上所得者の負担の割合は多くなっています。

・公費負担医療
経済的に困難な家庭環境にある人、障害を持つ人、特定の病気にかかっている人などが対象で、医療費を公費で負担する制度です。

公費の種類はたくさんあり、公費によって負担の割合なども違います。

患者本位の医療へ

最近、ニュースなどで医療事故、臓器移植など医療問題が、良く取り上げられるようになってきました。
これは、世間の人の医療に対する関心が高くなったためと思われます。

これまでの病院での対応は、医師の一方的な治療や、待ち時間の長い外来診療など、患者本位の医療とはいえないものでした。

そんな病院の対応が変わりつつあります。
患者の立場に立った患者本位の医療を目指すようになったのです。

患者本位の医療への取り組みの代表的なものを見ていきましょう。

・インフォームド・コンセント
informed-consentとは、説明と同意を意味し、患者は自分の病気と医療行為について、知る権利があり、医師は患者に対して、病状と治療の内容を説明する義務がある、そして患者は自分の治療法を自分で決定する権利を持つという考え方のことです。

医師は、難しい病気や専門的な治療法を、患者に理解できるように説明し、患者は治療を医師任せにせずに、自分の病気についての知識を持つ、そうすることで、医師と患者はお互いに理解し合い、納得いく治療を行うことができます。

・セカンドオピニオン
second-opinionとは、直訳すると「第二の意見」という意味で、具体的には、診断や治療方針について主治医以外の医師の意見を聞くことです。

主治医が示した治療方針以外に、どのような治療があるのか確認するために行われます。

主治医以外の意見を聞くことは、治療方針が同じであれば、安心して治療を受けることができ、異なった治療方針であれば、自分にとって、よりよい治療法を自分で選択することができるのです。

・電子カルテ
医師が治療の経過などを記録したものをカルテと呼びますが、カルテをコンピューターのデータで作成・管理するものを「電子カルテ」と呼びます。

保管場所をとらず、パソコンがあれば、いつでも見ることができます。

他の病院同士をネットワークで繋げることによって、複数の医師がカルテを見ることができるので、セカンドオピニオンが受けやすくなります。

病院によっては、患者本人がカルテを見ることができるようにしてある所もあるようです。

患者本位の医療「医薬分業」


これまでは、診察を受けた病院内の薬局で、薬が処方されていましたが、医薬分業が進み、病院で処方せんが発行され、薬は病院外の薬局で受け取るようになりました。

その目的としては、医師と薬剤師の二人の専門家によって、医薬品の使用をダブルチェックし、効き目や安全性を一層高め、医療をより良くするためです。

「処方せん取り扱い」「保険調剤薬局」「基準薬局」などの表示がある薬局であれば、どこでも自分で選ぶことができます。

薬局では、患者さんごとに薬歴が作成され、現在服用している薬、患者さんの体質、アレルギーの有無、以前起こした副作用などが細かく記入されます。
この薬歴を基に、他の医療機関で処方された薬との重複、飲み合わせ、アレルギーを起こす薬が含まれていないかなどが、チェックされます。
必要があれば、医師に相談してから調剤されることもあります。

こうしたかかりつけ薬局を持つことで、薬のことに関してなんでも相談することができ、安心して薬を服用することができます。

また、後発医薬品(ジェネリック)の普及も注目されています。

後発医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許がきれた後、他の製薬会社(後発企業)が、その特許の内容を利用して安価で製造した、同じ主成分を含む類似薬のことです。

新薬(先発医薬品)の開発には、巨額の費用と膨大な時間を必要とします。
そのため、開発企業(先発企業)は、その製造方法、構造などについて特許権を取得します。
自社が開発した医薬品の製造販売を独占し、価格を高く設定する事で、新薬開発に投資した資本の回収を図ります。

しかし、特許権の存続期間が満了すると、他の企業(後発企業)も特許権者に対する実施料を支払うことなく、先発医薬品と同じ主成分を有する医薬品(後発医薬品)を製造販売できるようになります。

後発企業には開発費がかかっていないので、安く製造販売できるということになります。

薬によって、先発医薬品との価格の差は色々ですが、患者さんの窓口負担が、少しは軽減されるのではないでしょうか。

勤務形態


医療事務の仕事は比較的、自分のライフスタイルに合わせた勤務形態が選びやすいといえ、女性に向いている仕事だと思われます。

医療事務の仕事の、一般的な勤務形態は、正職員・派遣職員・パートになります。

・正職員
正職員といえば、雇用保険や、健康保険、厚生年金などの加入はもちろんで、そこは一般企業と変わらないでしょう。

給与に関しては、勤務先によって違いはあるでしょうが、一般企業の事務と比べると少し、少ないかもしれません。
しかし、一般企業のような学歴や年齢による給与の差は少ないので、その点では一般企業よりも良いといえるでしょう。

勤務時間は一般的にフルタイムで、完全週休二日制というところは少ないようです。

レセプト請求期間に残業が集中し、思いどおりに休みが取れないこともあります。

看護師など女性が多く働いている場所ということもあり、産休・育休などはしっかりと準備され、職場の理解もあるでしょう。

正職員は、収入や社会保険が安定しています。
しかし仕事に対する責任は大きいでしょう。

・派遣職員
医療事務専門の派遣職員は、年々増えています。

派遣職員は勤務先・賃金・仕事内容などの条件を派遣会社に登録し、派遣会社から、その希望にかなった職場に派遣されます。

必ずしも条件に一致した職場になるとは限りませんが、きちんと社会保険に入れる派遣会社や、職場もあり、希望すれば正職員として採用してくれる職場もあります。

勤務先などを自由に選べる派遣職員ですが、一方で正職員より確実な保障はありません。

・パート
一番勤務時間の融通がきき、都合の良い時間に働く事ができるでしょう。

残業や休日出勤もそれほどないので、条件が合えば働きやすい形態だといえるでしょう。

夫の扶養控除内で働くことができ、融通はききますが、保障内容は一番低いでしょう。

このように、さまざまな勤務形態が選べるということは、ライフスタイルの変化が大きい女性にとって重要なことです。

医療事務職員は、常に即戦力が必要とされるので、スキル向上に努めることも大切です。

受付業務


医療機関を訪れるさまざまな人たちが、最初に接するのは、受付を担当する医療事務職員で、病院の顔といえる重要なポジションです。

ここでの対応は、患者さんの病院に対する印象に大きく影響するので、笑顔で対応することが大切です。

初めて来院された患者さんには、診療申込書を記入してもらう必要があります。
住所・氏名・生年月日・連絡先などの必要事項を記入してもらい、保険証とともにそれを受け取ります。

保険証の種類は、患者さんの職業や年齢によって異なり、窓口一部負担金も変わってくる場合があります。
受給資格の有無や有効期限、保険証の種類などしっかり確認します。

診療申込書と保険証を確認したら、診察券や会計カード等の必要書類を発行し、カルテ用紙に患者さんの基本情報を記入していきます。

医療機関では、この作業を、カルテの上書き(新規患者登録)と呼びます。

カルテとは、診療録のことで、医師が患者ごとに作成し、治療の経過、薬の内容などの記録がされます。

このカルテは医師法によって5年間の保管が義務付けられています。

後々まで保管される患者さんの大切な情報なので、間違いのないように記入されなければなりません。

患者さんの基本情報を医療事務職員が記入した後、医師に渡され、診療経過等は医師が記入します。

受診の準備が整ったら、それぞれの受診科に案内します。
口頭で道順を説明することが多いようですが、必要に応じて、患者さんに同行する場合もあります。

診察が終わったら、医師が記入したカルテを確認しながら、診療報酬点数表に基づいて、診察料、投薬料、注射料、検査料などを点数化していきます。

会計カードに記入したら、全体の診療費の中から患者さんの一部負担金額を計算し、会計業務を行います。

受付では、患者さんに質問されることが多く、医療保険制度の内容や、保険点数、支払いの仕組み、治療の内容などさまざまです。

医療保険制度や、保険点数、支払いの仕組みなどは、わかりやすく丁寧に伝える必要がありますが、治療内容などは医師以外の職員が話すことはできません。
必ず、診察時に医師に聞いてもらいましょう。

このように受付では、心配り、言葉遣い、電話応対、その場に応じた判断・対応などが求められます。

医事課業務


医事課の業務は幅広く、医療機関の他の部署とも密接につながっています。

例えば、会計で行われる一部負担金の請求・受け取りですが、お金の管理・診療報酬の算定は医事課で行われます。

また、カルテの保管・管理が医事課で行われている場合もあり、医師、看護師など専門スタッフとの連携も重要になります。

病院の経営は、そのほとんどが、保険診療による収入で成り立っています。

保険診療による収入とは、保険者から支払われる診療報酬と、患者さんから支払われる一部負担金のことです。

この保険者からの支払や、一部負担金の支払は、患者さん側のさまざまな理由により、滞ってしまうことがあります。

その際、きっちりと督促回収することが必要になるため、医事課で未収金リストを作成し、患者さんに連絡をとって支払のお願いなども行います。

また、入院施設を持つ病院などでは、仕事の内容も、外来とは違い、入院特有の知識を必要とします。

仕事の内容の質・量ともに複雑なので、入院の医事課、外来の医事課と2つの部署に分けている病院もあるようです。

入院の場合は、患者さんに対する一部負担金の請求が、定期的に行われます。

そして、医事課で重要な業務といえば、レセプトです。

レセプトの各支払機関への提出は、毎月10日までと決められているため、レセプトの作成は月初に集中して行われ、月初の残業は必須になります。

医療事務スタッフは診療報酬のスペシャリストです。

さまざまな治療などに対する診療報酬点数を把握しておくことはもちろんですが、その他にも、医療制度の改正に伴う変更点や、医療の知識など、覚えることは山ほどあります。

医療の専門家から信頼され、求められる人材になるためには、常に学び続ける向上心が大事になってくるでしょう。

医事課業務「レセプト業務」


幅広い医事課の業務の中で重要なものがレセプト業務です。

レセプト(診療報酬明細書)とは、医療機関が医療費の保険負担分の支払いを、公的医療保険団体(保険者)に請求するために発行される、医療費の明細書のことで、診療内容や、薬の費用などが記載されます。

医療費の一部は、自己負担額として患者さんから直接支払われ、残りの医療費は、保険負担分として、審査支払機関による審査の後、患者さん本人が加入する保険者から支払われます。

つまり、レセプトは医療機関が提出する個人ごとの医療費の請求書ということになります。

レセプトの作成とは、1回の診察ごとに書かれた会計カードを基にして、患者さん一人ひとりの1ヶ月分の診療報酬を書き起こす作業をいいます。

医療事務職員にとっては基本中の基本といえる重要な業務です。

コンピューターを使ったレセプトの作成は、機械が自動的に集計してくれるので、それを出力することになります。

レセプトは、「記号・番号の誤り」「資格喪失後の受診」など、基礎データの書き間違いや、保険証の未確認により、差し戻し(返戻)されることがあります。

差し戻されると、当然その分の入金は遅れてしまいます。

その返戻を防ぐため、医療事務職員は、時間をかけて慎重にレセプトを点検します。

それと同時に、診断内容と疾病名の不一致や、記載漏れがないかなどを、医師にチェックしてもらいます。
これは、患者さんの病名に対して行った治療が、妥当なものと認められない場合、その分の診療報酬が支払われなくなること(査定)があり、それを防ぐために行われます。

次に社会保険、国民保険に分けて、1ヶ月分の診療報酬請求書を作成し、診療報酬明細書とセットにしたものを、「国民健康保険団体連合会」「社会保険診療報酬支払い基金」といった審査支払機関に提出します。

そして、この審査に通ることによって、初めて医療機関に診療報酬が支払われることになります。

レセプトの作成方法や提出方法は、大きく分けて3通りあります。

・手書きでレセプトを作成し、提出する方法
・レセコンでレセプトを作成し、プリントアウトして提出する方法
・レセコンでレセプトを作成し、MOやフロッピーディスクなどの電子媒体で提出する方法

レセプトは、紙、フロッピーディスク、インターネットを使ったオンラインでの提出が可能で、近い将来すべてのレセプトを、オンラインで提出することになるでしょう。

外来クラーク業務


外来クラークは、大きな病院の各診療科に分かれた外来の窓口で、外来患者さんの受診の受付・案内や、カルテの準備、検査データの整理などを行います。

また、診察を受ける患者さんと、医師、看護師などの医療スタッフ、医事課などの事務部門との橋渡しの役割を担います。

診療を円滑に進めるため、外来クラークが雑務を引き受けます。

診療科の受付に、これから診察を受ける患者さんがやってきます。

外来クラークは、患者さんが提出した診察券を確認し、その方のカルテやレントゲン写真などの、診察に必要な検査データを揃えておきます。

カルテは、大きな病院ではカルテ室で管理されていることが多く、患者さんが病院の受付で診療申込書を記入し、受診する診療科の案内を受けたときに、患者さんのカルテや、レントゲンなどの必要な検査データが、受診する診療科に送られます。
患者さんが初診の場合は、基本情報を入力したカルテが用意され、受診する診療科に送られます。

外来クラークは、その搬送されてきたカルテや、レントゲン写真などの検査データを確認し、診察順に並べておき、診察室の医師にスムーズに届くようにしています。

診察の順番を待つ患者さんにも注意を払い、容態の悪い患者さんがいないかなど、患者さんの様子にも気を配ります。

カルテ以外の書類や報告事項の取次ぎも、外来クラークによって行われ、院内のあらゆる部署の医師や、看護師など必要な場所に届け、すみやかに処理します。

また、患者さんが転院する場合などに、転院先への紹介状を医師に記入してもらい、郵送することや、患者さんの勤務先や学校へ提出する診断書を作成することなど、院外とのやりとりも行われます。

このように外来クラークは、さまざまな「人」と、「人」または「もの」との間に入り、いろんな橋渡しをしています。

病棟クラーク業務


病棟クラークは、入院施設のある病院の、ナースステーションの中、あるいはすぐ隣の事務室で業務を行っています。

入院患者さんと医師、看護師などの医療スタッフと、院内各部署とをつなげるパイプ役になります。

通常、入院は、担当医が検討をしたのち、院長の許可を得て決定されるものです。

その際、入院指示書が発行され、患者さんは、この指示書を入院受付に提出することになります。

病棟クラークでは、提出された指示書をもとにし、関係部署に連絡を行う、必要な備品を用意するなどを行います。

退院時も同様に、退院指示書が発行され、それに基づいた手続きが行われます。

患者さんに病室・病棟内の決まりや、入院費用について説明を行います。

入院ということは一時的でも、患者さんの生活の場が病院に移るということなので、患者さんの生活を支えるさまざまな物や、人、その他食事や介助、物品の手配などが必要になってきます。

逆に退院時には、不要になる食事や物品などについて、関係部署に前もって、キャンセル等の連絡をしておかなければなりません。

病棟クラークは、ナースステーションの中か、すぐ隣の事務室で業務を行っていることが多く、患者さんや家族から、治療内容に関する質問を受けることがあります。

しかし、些細なことであっても、勝手な判断で返事をせず、医療スタッフに報告することが大切です。

病棟クラークには、適切な把握・管理と、院内の関係部署との連携が重要になります。

また、配属される病棟に関する医療知識を勉強しておくなど、ある程度の専門知識を持っておくことも必要になります。

医療秘書業務


医療秘書は、医療機関によって業務の内容が違う場合があり、その呼び方もさまざまです。

そもそも、医療事務という仕事は、医療の専門職である医師や看護師のサポート業務であり、受付・窓口業務、医事課、外来クラーク、病棟クラークのすべてが秘書的な業務であるという考え方もできます。

病院によっては、専門性の高いレセプト業務を除く医療事務の業務を、医療秘書業務としているところもあるようです。

医療秘書の求人は少なく、パート採用のみに限っている病院もあり、正職員は少ないようです。

院長秘書や医局秘書と呼ばれ、院長や医師に代わって雑務を行う仕事もあります。

院長や医師は、病院内での診療など本来の業務の他に、研究活動や、外部の勉強会への出席などの活動をしています。

そのため、本来の業務に支障がないように、対外的なスケジュール管理、身の回りの雑務をする「秘書」を必要とします。

この医療秘書は、海外の学会に同行する場合や、海外の文献などの翻、海外からの来客の対応を任されることもあるので、深い専門知識と語学力を必要とする場合もあります。

任せられる仕事や必要な能力は、上司の仕事の内容や、考え方、性格、上司が秘書に何を求めるかなどによって違ってくるでしょう。

また、電子カルテの導入に伴い、医療秘書に新たな業務を求めているところもあります。

電子カルテは、事務業務の削減や、カルテの長期保存などあらゆるメリットを持っています。

しかし、診察中もコンピューターの入力をしなければならず、スムーズな診察が行えない、診察中にコンピューターの画面を見ながら、患者さんと応対しなければならないなど、患者さんに良い印象を与えません。

そこで、事務レベルでできることを医療秘書に任せることで、スムーズに診察できるようにしようということなのです。

秘書というのは、あくまで指示のもとに動く業務ですが、与えられてから動くのではなく、求められたときにすぐに対応できることが重要になります。

医療事務の活躍の場


医療事務の活躍の場はさまざまです。

病院、診療所、歯科医院、調剤薬局、それぞれに、ぞれぞれの医療事務の仕事があります。

病院といっても、その中で内科、小児科など科によって業務内容は変わってきますし、働く医療機関の規模やスタッフの人数などによっても業務内容が変わります。

例えば、規模の小さな診療所や、歯科医院などでは助手の役割も、求められる場合があります。

職場の雰囲気や、仕事の内容から自分に合う職場を見つけましょう。

また、医療事務の経験を積んだ後に、その経験を生かして、勤務することができる医療関連の企業もあります。

医療事務には、専用のソフトを使って行うコンピューター作業があります。

そのソフトの操作方法は、ソフトの開発会社やメンテナンス会社に所属するインストラクターなどが、医療機関に出向いて教えることになります。

このインストラクターには、医療事務の深い知識と経験をもった人が適任ということです。

また、レセプトの点検請負という仕事もあります。

レセプトは、月末にその月の診療内容がまとめられ、翌月10日までに作成され、保険者へ診療報酬を請求されます。

複雑な保険の仕組みと、短期間での確認と、正確に仕上げなければならない仕事のため、職員のみでは対応できない場合があります。

レセプト点検請負は、こうしたレセプトの点検作業を病院から請け負う仕事です。

このように、ひとくちに医療事務といっても、さまざまな仕事があり、医療事務員はさまざまな場所で活躍しているということです。

病院勤務


患者数も、診療科も多い病院には、医師も含めてたくさんのスタッフが働いています。

病院では、数多くのスタッフの総合力で、患者さんに適切に、最善の治療をすることを目的としています。

そのため、仕事の上で、コミュニケーションを取ることは、患者さんに対してだけでなく、スタッフ同士でも大切なことで、スタッフ同士でコミュニケーションが取れていると、雰囲気もよく、働きやすくなるとともに、病院全体の連帯感も高まります。

病院では、規模の小さな診療所などに比べて、多くの人と円滑にコミュニケーションを図れる能力が必要です。

規模の大きな病院では、患者数が多く、効率よく業務を進めるために分業制となっていることが多く、診療科によって医事課を、医事一課、二課、三課と分業しているところもあります。

自分の担当する業務を、毎日何百件とこなすわけですから、当然経験値はあがり、特定の分野でのスペシャリストにはなれるでしょう。

しかし、医療事務の業務全体の流れをつかみにくいという欠点もあり、転職を考えた場合、どこでも通用する、というわけにはいかないようです。

病院により、分業の仕方はそれぞれで、受付、会計、レセプトなどの各業務を、全員が一通りできるように、ローテーションを組んでいる病院もあれば、各業務に区別され、自分の担当の業務しかしないという病院もあります。

規模の大きな病院ほど、細かく分業する傾向にあるようです。

病院では、一日に何百人と患者さんが訪れ、業務には、正確さとスピードが求められます。

患者さんによって症状はさまざまですが、持病のような慢性的な病気で通院する患者さんよりも、突発的なケガや急病の患者さんが多いようです。

そのため、さまざまな状況に迅速、かつ的確に対応できる体力と判断力が必要になってきます。

診療所勤務


患者数も診療科も多い規模の大きな病院では、スタッフも多く、分業制であるところが多く、個々の業務が特化されていることが多いようです。

それに対し、診療所・クリニックの中には、診療科をいくつも掲げている所もあるようですが、やはり眼科・耳鼻科・小児科など、1つの診療科のみのところが多いので、診療所やクリニック、医院といった規模の小さな病院では、スタッフも少なく、あらゆる業務に対応することを求められます。

受付・会計窓口の業務はもちろんのこと、医師や看護師とのやりとりや、カルテの発行、レセプト業務、オペレーティング、清掃、医療秘書的な業務、場合によっては経営面に関わるなど、さまざまな業務をこなさなければなりません。

診療所・クリニックでは、業務の種類も豊富ですが、業務の量も多くなってきます。

これだけ多くの業務に携われるということは、医療事務業務全般をこなす力がつけられるということです。

あらゆる医療事務の業務をこなせるということは、自信にもつながり、努力次第で、医療事務のスペシャリストになれる可能性もあります。

一方で、眼科なら眼以外のものがカルテに出てこないなど、専門的な治療を行っていることで、同じ病気の患者さんばかりが多数来院することになり、オールラウンドな能力を身につけることはできません。

しかし、逆に眼に関しては非常に深く知ることができるなど、その診療科のスペシャリストになることは可能でしょう。

また、特に専門分野に特化した治療を行う診療所が増えており、簡単な治療しかできなかった昔の診療所とは違い、より専門的な知識を得られるでしょう。

診療所・クリニックにもさまざまなタイプがあるので、医療事務の仕事に就くときは、いろいろなパターンを考えて、自分にあった職場をみつけましょう。

歯科医院勤務


歯科医院の医療事務は、通常の業務から治療補助までの幅広い業務と、専門性が求められます。

診療行為は医師や看護師などの資格がなければ行えず、病院や診療所で、医療事務職員が医師の診察を手伝うことはありません。

しかし、歯科では、医療事務のみに専念ということは少なく、助手として器具の清掃や準備などを行うこともあり、専門的なこともある程度、理解しておくことが必要とされます。

受付以外での患者さんとの対応も増えるので、よりいっそう細やかな気遣いも大切です。

歯科には、診療の選択肢があり、患者さんがすべての医療費を負担する「自由診療」を、患者さん本人が選ぶことができます。

なぜ、このような選択肢があるかというと、医療ニーズの多様化に伴い、患者さん本人が自分にとって、よりよい治療を受ける方法を自由に選べるようにするためです。

さまざまな治療方法の中には、公的な健康保険では認められていない治療方法や材料・薬剤を用いて治療する方法もあり、その場合、健康保険の適用対象にはなりません。

自費で全額負担することになっても、自分の納得のいく治療を選択することができるというわけです。

自由診療の他に選定療養というものがあり、これは、公的な健康保険の適用を受ける診療と併せて、厚生労働大臣が定めた一部の行為についてのみ、自費での徴収が行えるというものです。
これは、選定療養費制度によって認められています。

歯科では、自由診療と選定療養が多いため、医療事務職員は、受付での患者さんの保険の範囲の見極めや、歯科独自のレセプトの知識が必要となります。

このように、医師の作成するカルテ、医療事務員が作成するレセプトが、医科と歯科では異なり、専門用語や診療内容、書類等も違ってきます。

そのため、医科の知識だけでなく、歯科の専門的な知識も必要とされます。

調剤薬局勤務


調剤薬局は、厚生労働省の医薬分業の推進によって、需要が高まっています。

医薬分業とは、病院で医師や歯科医の診察を受けたあとに、病院や診療所で薬をもらう代わりに、薬の名前、飲み方、量が書かれた処方せんをもらい、それをもって病院外の薬局で薬を調剤してもらうことです。

薬局では、患者さん一人ひとりの薬暦が作成されます。

自分が選んだひとつの薬局(かかりつけ薬局)をもつことで、他の医療機関で出された薬との飲み合わせや、薬の重複、過去に飲んだ薬での副作用などをチェックしてもらう事ができ、安心して薬をもらうことができ、薬についての相談などもしやすくなります。

こうした調剤薬局は、受付や会計などを行う事務職員と薬剤師によって構成されています。

医療事務職員は、調剤事務と呼ばれ、調剤報酬分野での会計業務を担当しています。

調剤薬局事務の仕事は、患者さんの保険の確認や、調剤報酬明細書(レセプト)の作成、薬暦の管理、薬剤師のサポート、患者さんに対する接遇、清掃、雑務などです。

来局された患者さんから処方せんを受け取り、調剤内容を算定します。

それと同時に、薬剤師によって調剤が行われ、調剤後、患者さんに対して、薬の用法・用量について服薬指導が行われます。

薬剤師によって薬が手渡された後、会計は医療事務職員によって行われます。

調剤事務には、調剤報酬や医療保険制度、薬に対する知識が求められます。

調剤薬局は、病院や診療所などの近くにあることが多く、勤務時間や休日は、病院や診療所の診療時間や休日に影響されることが多いようです。

また、薬の内容におかしな点がある場合や、他の医療機関で処方された薬が重複している場合など、処方せんを発行した医療機関に対して「疑義照会」がされます。

疑義照会とは、処方せん中に疑わしい個所があるときには、その処方せんを交付した医師、歯科医に問い合わせ、疑わしい個所を確かめた後でなければ、調剤してはいけないため、薬剤師によって、交付した医師に対して行われるものです。

いつも処方せんをうけている医療機関があるなら、その医療機関の医師や事務員とコミュニケーションをとっておくことも、連絡事項や疑義照会をスムーズに行う上で必要です。

調剤薬局では、調剤報酬の専門分野での算定業務を行うことになりますが、薬を調剤して、服薬指導を行う薬剤師との細かな連携が必要になります。

請負


毎月医療機関では、月末にその月の診療内容がまとめられ、翌月の10日までに、レセプトを作成、保険者へ診療報酬の請求がされます。

月末から翌月10日までの期間の中で、さまざまな確認作業を行わなければならず、職員のみでは対応できない医療機関もあります。

レセプト点検請負は、そんな点検作業を病院から請け負う仕事です。

レセプト点検請負は、レセプト点検ができるからといって、誰でもすぐに独立できるというわけではありません。

医療機関に医療事務員として勤務し、何十回とレセプト業務をこなした経験ももちろん必要ですが、レセプト点検請負としてやっていくには、まず、紹介業者などを通しての仕事をすることをお勧めします。
これは、業界内に人脈がないと、簡単には受け入れてもらえない傾向があるようだからです。

レセプト点検請負には、キャリアと人脈も必要になってきます。

レセプトの点検業務は、月末で締めたデータをもとに、10日までに終えなければならず、月末から翌月10日までが繁忙期になります。

規模の大きな病院になると、毎月数千枚ものレセプトがあるようです。

請負とはいっても作業そのものは、院内で行われます。

レセプト業務にも、医療機関それぞれのやり方があるので、それに合わせることが大切です。
仕事の範囲も、点検だけを行う場合や、入力から行う場合など医療機関によって、さまざまです。

レセプトには患者さんの重要な情報が入っており、点検業務は医療機関の収入に直結する重要な仕事といえます。
そんな重要な仕事を、任せてもらえるということに、大きな責任とやりがいをもつことができるでしょう。

レセプト点検請負は、大切な情報を預かること、締め切りがあること、医療機関の収入に関係する重要な業務であることから、責任感がなければできない仕事といえるでしょう。

インストラクター


医療事務には専用のソフトを使って行うコンピューターの作業があり、レセプトをコンピューターで作成しているところも多くあります。

このソフトの操作方法を、医療機関の人に教えるのが、ソフトの開発社や、メンテナンス会社などに所属するインストラクターになります。

使用されているソフトは、各医療機関によってさまざまです。

このさまざまなソフトの中に、日本医師会がプロジェクトを組んで作成した、日医標準レセプトソフトというものがあります。

この日医標準レセプトソフトは、日本医師会が推進する医療現場IT化を目的とする計画(ORCAプロジェクトといいます。)で開発されました。

この計画では、医療機関が日医標準レセプトソフト等(日医IT)を導入・活用する際、安心してサポートが任せられる事業所の育成に力を入れており、日医ITの健全な普及と、医療ネットワーク構築のため「日医総研日医IT認定制度」が設けられています。

この制度によって、日医ITの操作方法・医療指導を行うインストラクターと、システム構築・メンテナンスを行うシステム主任者が認定されています。

そして、認定インストラクターとシステム主任者が所属しており、医療機関への日医IT導入の手伝いをするサポート事業所も認定されています。

インストラクターになるには、さまざまな医療事務の経験が必要です。

操作方法を伝えることが、主な仕事ですが、医療保険に関すること全般に対しても、医療機関から質問を受けることがあります。

そのため、診療科の経験が1つしかないなどの、少ない知識では対応しきれませんし、依頼者からの信頼も得られません。

あらゆる診療科を経験し、点数の算定に精通することや、保険の知識も必要です。

また、効率的な運用方法の提案や、アドバイスを行うときもあります。

サポート事業所は、それぞれに個性をもったサービスも提供していますので、インストラクターの仕事も求められる能力の範囲はさまざまでしょう。

介護事務


2000年に介護保険法が施行され、それを機に介護関連施設の設立が集中、その数は今なお、増え続けています。

介護事業には、利用者の家を訪問してサービスを行うほか、日帰りで施設を利用してもらう「指定居宅サービス事業」と、家庭での介護が困難な利用者を、長期的に受け入れる「介護保険施設事業」があります。

指定居宅サービス事業は、利用者宅へ出向く場合と、利用者に施設に来てもらう場合とがあり、利用者の身の回りの世話が中心で、入浴を手伝う、食事の支度をするなどの日常生活のサポートを、介護福祉士やホームヘルパーが行います。

一方、介護保険施設事業には、「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の3つの種類があります。

介護老人福祉施設とは、特別養護老人ホームが、都道府県知事の指定を受けて、介護保険施設となったものです。
入浴や、食事などの介護が中心の施設で、常時介護を必要とする利用者が入所します。

次に、介護老人保健施設は、介護と医療の両方のサービスを提供する施設で、リハビリなどの簡単な医療を必要とする利用者が入所します。
この施設は、病院から家庭へ復帰するための中間的な施設といえます。

最後に、介護療養型医療施設ですが、この施設では、療養上の管理、看護、医学的な管理のもと、介護や機能訓練などのサービスを提供します。
密度の濃い治療は必要としないが、医療機関での長期療養を必要とする利用者が入院します。

こうした介護の現場で働く人は、ほとんどが介護福祉士や、ホームヘルパーなどの専門職の職員で、事務職の数は決して多くはありません。

専門的に介護事務をこなせる人の数も多くはないようで、高齢化社会の日本では、これからますます需要が増えることは確実といえるのではないでしょうか。

医療保険と同じように、介護には独自の介護報酬があり、介護レセプトがあります。

この介護報酬は独特の算定法なので、医療機関で医療事務をしていたからといって、簡単にできるものではありません。

逆に、これから介護事務の勉強をする人にとっては、経験者が少ないことから、就職活動のハンディは少ないと思われます。

また、介護老人保健施設や、介護療養型医療施設の場合には、介護と医療の両方の知識が必要とされます。

常に人材不足の介護の現場では、未経験でも比較的受け入れられやすいと思われ、事務職でも専門性が必要とされる介護の分野は、これからの職業として、非常に魅力的だといえるでしょう。

これからの医療事務


2001年に、厚生労働省が「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」を発表して以来、医療機関のIT化も急速に進みました。

そのIT化の代表的なものが、電子カルテと電子レセプトです。

従来、医師によって手書きで記入されていたカルテは、端末で即時に検索、入力することができる電子カルテへと姿を変えています。

電子カルテの導入により、毎日何十、何百人と来院する患者のカルテを探し出す手間や、保管に必要なスペースなどが大幅に削減されました。

レセプトでは、すでにコンピューターでの処理が当たり前となっていましたが、最終的には書類で提出されていたものが、電子レセプトにより、データの状態で提出することができるようになりました。

電子カルテや電子レセプトなど、パソコン操作は、医療事務の仕事に欠かせないスキルになっています。

また、高齢化社会に対応するかのように、医療施設の数も増え続けています。

医療施設が増えているということは、医療スタッフを必要としている職場が増えているということです。

医療事務の職場は、病院だけでなく、町の診療所、歯科医院、調剤薬局などたくさんあり、医療事務の技能は、さまざまなところで求められています。

日本商工会議所の「人材ニーズ調査」の結果によると、医療事務を求人している法人が、医療事務職員に求める基本スキルは、他者・組織理解、信頼構築、継続学習などが重視されているようです。

医療の現場では、さまざまなタイプの専門家が働いています。
そんな医療の組織の中で、高い信頼関係を築けること、勉強し続ける向上心をもつことができる人が求められるということです。

仕事のスキルももちろん必要ですが、細やかな気配りができることも欠かせない能力で、大切なのは患者さんや、その家族を思いやる心だということも、忘れないでおきましょう。

診療報酬請求事務能力認定試験


診療報酬請求事務能力試験は、医療事務関連の試験の中で、もっとも評価の高い試験です。

診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上を図るために、財団法人日本医療保険事務協会が実施する全国一斉統一試験で、年間2万人を超える受験者がいます。

受験資格は問われません。

医科と歯科に分けられ、それぞれに学科試験と実技試験が行われます。

試験日は、年2回(7月、12月)、日曜日または、祝日。
試験時間は、学科、実技合わせて3時間です。

試験会場は、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都、横浜市、新潟市、金沢市、静岡市、名古屋市、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市になります。

試験の出題形式は、5者択一の学科試験が20問、外来と入院のレセプト作成が各1問ずつ出題されます。

学科では、公費や介護を含む保険関係が3~4題、残りはすべて診療報酬の算定ルールに関する問題が出題されるでしょう。

学科試験問題のうち、14~15問が、診療報酬点数表からの出題になりますので、点数表の構成を頭に入れておきましょう。

算定方法について細かく出題されるので、難易度は高いと思われます。

医学知識については、まれに1~2問の出題があるようです。

レセプト作成の、外来に関しては、基礎的なことが理解できていれば、まず問題はないでしょう。
しかし、入院のほうは、分量も多く、高レベルの問題となっているようで、合格の鍵は、入院のレセプト作成にあるようです。

この試験の合格率は約30%で、難易度の高い試験ですが、医療機関での評価も高いので、ぜひ、挑戦してみてください。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)


医療事務技能審査試験は、おそらく医療事務関連の資格のなかで、もっとも受験者数の多い資格です。

この試験は、医療事務に従事する者の知識・技能を審査し、証明することで医療事務職の職業能力の向上と、社会的地位の向上に資することを目的とし、日本医療教育財団により、実施されています。

年間5~6万人の受験者がおり、医療事務関連としては最大規模です。

1級メディカルクラーク(医科・歯科)、2級メディカルクラーク(医科・歯科)があり、受験資格が規定されています。

1級の受験資格

① 2級の技能審査に合格した者で、医療機関等において、医療事務職として1年6ヶ月以上の実務経験を有する者。

② 教育機関等が行う教育訓練のうち、審査委員会が認める「1級試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者。

③ 医療機関等において、医療事務職として3年以上の実務経験を有する者。

2級の受験資格

① 教育機関等が行う教育訓練のうち、審査委員会が認める「2級試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者。

② 医療機関等において、医療事務職として6ヶ月以上の実務経験を有する者。

試験日は、1級が年3回(2月、6月、10月)、2級が年12回(毎月)です。

試験の内容は、実技Ⅰ、学科、実技Ⅱの3科目からで、実技Ⅰは、接遇、院内コミュニケーションなどで、窓口または、電話でのやりとりを、400文字程度の文章にする問題が出題されるようです。

学科は、3者択一で、保険、公費、計算問題、医学知識と幅広い中から25問が出題されます。

実技Ⅱは、診療報酬請求事務(レセプト)に関することで、カルテ4枚とそれに基づいて作成されたレセプト4枚とを照合し、誤りを訂正するというものです。

この試験は、3科目それぞれが、70%できれば合格となります。
合格率としては、約60%です。

医療事務管理士技能認定試験


40年近い実績を持ち、年間4万人ほどの受験者がいる人気のある資格試験です。

医療機関内での患者受付け、治療費の計算、診療報酬明細書の作成、カルテ管理などの業務や、医療保険制度や診療報酬の仕組みを理解し、正確に算定できるなどの、医療事務全般の能力を評価・認定する試験で、技能認定振興協会により、実施されています。

受験資格は問われません。

試験は、医科医療事務と歯科医療事務に分かれており、どちらも学科と実技の試験になります。

試験日は年6回(奇数月の第4土曜日)です。

試験の内容
・実技(3時間)診療報酬明細書の作成 黒のボールペン又は万年筆を使用すること。
医科3問(外来2問、入院1問)、歯科3問(外来3問)

・学科(1時間)筆記(択一式) HB以上の黒鉛筆を使用すること。
法規(医療保険制度・老人保健制度・公費負担医療制度等についての知識)。
医学一般(各臓器の組織・構造・生理機能・傷病の種類等についての知識)。
保険請求事務(診療報酬点数の算定方法・診療報酬明細書の作成・医療用語等についての知識)。
この範囲から10問が出題されます。

資料などの持込みは可ですが、計算機を除く電子手帳などの電子機器の使用は不可です。

合格基準は、実技試験70%以上、学科試験70点以上で、実技、学科ともに合格基準に達した場合に合格となります。

合格率は、医科42.0%、歯科66.7%(いずれも2007年5月の実績)となっています。

医療秘書技能検定試験

医療秘書教育全国協議会が1988年から実施している試験で、医療機関や医療関連機関に勤務する医療秘書として、実務マナー、医療法規、医学用語、医療事務の領域に高度な知識と技能を持ち、業務を専門的に遂行することができるかが審査されます。

1995年度に受験者数が1万8千人を超えた人気のある資格です。

試験には1級、準1級、2級、3級があります。

受験資格は不問ですが、専門知識を問われる試験なので、専門学科やコースなどで習得するのがよいでしょう。

試験日は、年2回(6月、11月)です。

試験は3つの分野に分かれています。
・領域Ⅰ
医療秘書実務、医療機関の組織・運営、医療関連法規。

・領域Ⅱ
医学的基礎知識、医療関連知識。

・領域Ⅲ
医療事務

試験は、領域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、それぞれに100点ずつ配点されていて、3つの領域の正解の合計が180点以上ある者のうち、それぞれの領域の正解が60%以上であれば、合格となります。

合格率としては、1級が10%前後、準1級が20%前後、2級が45%前後、3級が70%前後となっています。

この試験の受験者は、専門学校生が多かったようですが、最近では、一般の受験者も増えているようです。

特徴としては、他の検定試験と比較してみると、医療事務以外の分野の比率が高くなっていることです。

医療秘書の業務は幅広く、その領域は多岐にわたります。
医療界における事務のスペシャリストを目指す方には、必須の試験ではないでしょうか。

医療秘書技能認定試験


医療秘書の業務は、医事課や医局、教授等の秘書業務など多岐にわたっています。

そのため、この資格は、医療秘書業務に必要な医事や医学、秘書実務等に関する知識と技能のレベルを評価、認定することで、能力の向上と社会的な地位の向上に資することを目的とし、日本医療教育財団により実施されています。

医療秘書教育は、主に専門学校や短大、大学等の教育機関で実施されており、こうした教育機関で履修した人の成果を評価するものとして、医療秘書技能認定試験の受験資格を有する受験校を対象とした団体受験として実施されているようです。

秘書実務以外に、医療事務や医学・薬学、接遇マナーなど、出題範囲は広いようです。

受験資格
2級メディカルクラーク(医科)の資格を持ったもので、教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認める「医療秘書技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合する医療秘書教育課程を履修した者となります。

試験日は年2回(2月、8月)です。

試験は、学科と実技があります。
・学科(三者択一式 30問)
① 受付・案内業務 ②医療コスト計算 ③医学知識・用語 ④秘書実務・感性 ⑤社会・組織関係

・実技(面接形式 1問)
医療機関における接遇マナーの基本的事項が身についているか、否かを審査されます。
①接遇の基本事項および基礎知識 ②顧客の案内および応対 ③電話の応対

本試験の受験資格を有する学校で団体受験する場合は、実技試験は免除となります。

合格基準は、学科・実技とも70%以上の得点率が必要で、ともに合格基準に達した場合、合格となります。

合格率は90%~95%です。

医事コンピューター技能試験


2001年に「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」が厚生労働省から発表されて以来、医療機関のIT化が急速に進みました。

最近では、ほとんどの医療機関で、医療会計事務などにコンピューターが欠かせないものとなっており、医療事務に携わる者にとって、今後扱う機会は増えていくばっかりです。

今では、パソコン操作は、医療事務の仕事に欠かせないスキルとなっています。

この資格は、医事コンピューター操作技能と基本的なコンピューターの知識、そして医療事務の3つの分野の知識と技能を検定するもので、医療秘書教育全国協議会によって、1996年から実施されています。

試験には、準1級、2級、3級があり、受験資格は不問です。

試験日は、年2回(6月、11月)です。

試験は3つの分野に分かれています。
・領域Ⅰ
医療事務

・領域Ⅱ
コンピューター関連知識
・領域Ⅲ
実技(オペレーション)

この3つの領域について、級ごとに難易度を変えて出題されます。

試験は、領域Ⅰ、Ⅱ、Ⅲがともに、60%以上正解のとき合格となります。
配点は、領域Ⅰ60点、領域Ⅱ60点、領域Ⅲ60点で180点満点となります。

政府は、診療報酬明細書(レセプト)について、全面オンライン化の目標時期を定めており、これからの医療機関には、コンピューターがあるのが当たり前になってきます。

通信講座や、専門学校にもパソコン操作のカリキュラムが用意されています。

医療事務の現場では、常に即戦力となる人材を必要としています。
医事コンピューター技能検定を取得しておくことは、就職にも有利に働くでしょうし、医療の現場に入ってからも役に立つでしょう。

調剤事務管理士技能認定試験


保険医療機関が処方せんを発行し、薬の調剤を保険調剤薬局が行う、という医薬分業が進む中で、保険調剤薬局では、薬剤師が調剤に専念するために、処方せんの受付、会計、その他雑務を担当する事務スタッフが、求められています。
調剤報酬の仕組みを理解し、調剤報酬を算定、請求できる事務スタッフは、薬局には欠かせない存在です。

調剤事務管理士技能認定試験は、2001年から技能認定振興協会により、実施されており、調剤報酬の仕組みに対する理解度と調剤報酬算定のスキルが評価されます。

受験資格は問われません。

試験日は年6回(奇数月の第4土曜日)です。

試験の内容としては、実技試験と学科試験になり、試験時間は、実技・学科合わせて2時間となります。

・実技試験 (黒のボールペン又は万年筆を使用すること)
調剤報酬明細書を作成するために必要な知識が問われる。
調剤報酬明細書の作成(3枚)。

・学科試験 (HB以上の黒鉛筆を使用すること)
法規(医療保険制度、調剤報酬の請求についての知識)、調剤報酬請求事務(調剤報酬点数の算定、調剤報酬明細書の作成、薬剤用語についての知識)に関する理解が問われる。
択一式の筆記試験になります。

資料などの持ち込みは可ですが、計算機を除く、電子手帳などの電子機器の使用は、不可になります。

試験は、現在使用されている調剤報酬点数表に基づいて、実施されます。

合格基準は、実技70%以上、学科70点以上で合格となります。

調剤報酬請求事務専門士検定試験


薬剤師をバックアップできる、優秀な調剤報酬請求事務専門士の育成を目的に、調剤請求事務専門士検定協会により、実施されています。

調剤請求事務専門士検定協会は、国の機関により指定登録された団体であり、調剤報酬請求事務専門士検定試験は、正式に履歴書等に記載することができる唯一の「専門士」資格検定です。

資格取得者のレベルの統一をはかり、最新の保険知識を身につけ、即戦力となれるよう、2年に1度の更新制度が導入されています。

受験資格は問われません。

試験日は年2回(7月、12月)です。
1級、2級、3級とあり、2級は在宅受験も可で、3級は在宅受験のみとなります。

試験は、学科と実技とがあります。

・1級
学科(60分)・・50問択一式のマークシート。
接遇・薬剤の基礎知識、医薬品関連法規、医療保険制度、調剤関連法規、調剤報酬請求など。

実技(60分)・・処方せん3枚の設問個所の点数計算、処方せん1枚の調剤報酬明細書の作成。

・2級
学科(60分)・・50問択一式のマークシート。
接遇・薬剤の基礎知識、医療保険制度、調剤関連法規、調剤報酬請求など。

実技(60分)・・処方せん3枚の設問個所の点数計算、レセプト明細書の作成。

・3級
学科(60分)・・30問択一式。
接遇・薬剤の基礎知識、医療保険制度、調剤関連法規、調剤報酬請求。

実技(60分)・・処方せん3枚の設問個所の点数計算、レセプト明細書の作成。

合格率は、1級で15~20%、2級で40%程度、3級で50~60%となっています。

介護事務管理士技能認定試験


2000年4月に介護保険制度がスタートし、介護サービスを提供する事業所や施設では、介護報酬を請求するという事務業務が発生しました。

介護サービス提供機関は、介護保険制度の仕組みを理解し、正確に介護報酬を算定、請求できる事務スタッフを求めています。

介護事務管理士の資格は、介護保険制度の仕組みの理解と、介護報酬を算定・請求できる能力が、技能認定振興協会により、認定されるものです。

介護サービス提供事業所への就業を目指す人は、持っていると有利に働くでしょう。

受験資格は問われません。

受験日は年6回(奇数月の第4土曜日)です。

試験は実技と学科試験とがあります。

・実技 (黒のボールペンまたは万年筆を使用すること)
介護給付費明細書の作成(4枚)

実技には、居宅サービスと施設サービスの両方が出題されるため、給付費全般について幅広く押さえておきましょう。

・学科 筆記 択一式(HB以上の黒鉛筆を使用すること)
法規(介護保険制度、介護報酬の請求についての知識)
介護請求事務(介護給付費単位数の算定、介護給付費明細書の作成、介護用語についての知識)
この範囲から10問が出題されます。

資料などの持ち込みは可ですが、計算機を除く電子手帳などの電子機器の使用は不可となっています。

合格基準は、実技70%以上、学科70点以上で、実技・学科ともに合格基準に達した場合、合格となります。

合格率は65.5%(2007年5月の実績)です。

その他医療事務関連の資格(医科・歯科)


・医療情報実務能力検定試験
(主催団体 内閣府認証特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会)
無駄な診療報酬請求を省きながら、請求漏れも防止する技術と実務能力をもつ人材を育成し、その実務能力のレベルを計ることが目的。

・医療保険請求事務者
(主催団体 全国医療関連技能審査機構)
近畿地方を中心に実施されており、医療事務全般にわたる専門知識と技能が審査される。

・医事管理士認定試験
(主催団体 (財)日本病院管理教育協会)
診療各科・補助各科で、診療行為の点数化・ソーシャルワーク・カルテの管理などを行う医療事務職員の資格。

・医療保険士
(主催団体 医療保険学院)
病院などの会計事務や、保険診療の明細書を作成する技量が問われる。
医療保険学院の通信部で講座を受講し、中間テストに合格し修了検定を受験、合格すると医療保険士と認定される。

・保険請求事務技能検定試験
(主催団体 三幸医療カレッジ)
保険請求の知識を問われる。
ハローワークの委託訓練など公的機関での職業訓練の取得目標資格試験に採用されている。

・医療管理秘書士・医療秘書士・医療事務士
(主催団体 (財)日本病院管理教育協会、大学・短期大学医療教育協会)
病院組織における管理者、病院長・副院長・診療部長・診療各科医局長・診療補助部門医局長などが本来の業務に専念できるように援助する秘書業務を行う上級事務職員のための資格。

・医療秘書情報実務能力検定試験
(主催団体 内閣府認証特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会)
医療機関での秘書的業務の実務能力のレベルを計り、現在の医療秘書能力、医療機関の高い患者サービス保持、円滑なクラーク業務など、メディカルセクレタリースペシャリストであることをレベルに応じて認定している。

・日本医師会医療秘書認定試験
(主催団体 日本医師会)
専門的な医療事務の知識と最新の情報処理技能を備え、医療機関の今日的な使命を自覚、それにふさわしい対応ができる能力を認定している。

・診療情報管理技能認定試験
(主催団体 (財)日本医療教育財団)
診療情報管理業務に従事する者の知識および技能の程度を評価、認定し、職業能力の向上とその社会的経済的地位の向上に資することを目的としている。

・診療情報管理士認定試験
(主催団体 (社)日本病院会)
診療記録および情報を適切に管理し、データを加工、分析、編集し活用することで、医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門的職業。

・病歴記録管理士認定試験
(主催団体 (財)日本病院管理教育協会、大学・短期大学医療教育協会)
厳重な保管と円滑な検索抽出が求められる病歴(カルテ・診療録)を管理する専門の知識と技術を認定している。

その他医療事務関連の資格(調剤・福祉・その他)


・薬剤情報担当者
(主催団体 内閣府認証特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会)
特許庁に商標として登録された資格で、薬剤師の補佐的業務から薬剤師の業務範囲が及ばない販売箇所までカバー、スペシャリストを認定する。

・調剤情報実務能力認定試験
(主催団体 内閣府認証特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会)
薬局運営・経営の流れの一つである、調剤事務の実務能力を評価する。

・調剤報酬請求事務技能認定
(主催団体 (財)日本医療教育財団)
調剤報酬請求業務の従事者として必要な調剤報酬請求事務などの知識と技能のレベルを評価、認定する。

・調剤薬局事務者
(主催団体 全国医療関連技能審査機構)
近畿地方を中心に実施されており、調剤・投薬に関係する点数の取り扱いの知識、実務能力が問われる。

・医療保険調剤報酬事務士
(主催団体 医療保険学院)
院外処方せんに基づき調剤を行った費用を請求するための調剤報酬明細書を正しく作成できる能力が評価される。

・介護保険事務管理士認定試験
(主催団体 (財)日本病院管理教育協会)
特別養護老人ホームや療養病床を持つ介護保険施設で、介護報酬の請求事務を行う知識や能力が認定される。協会の指定校での履修が必要。

・ケアクラーク技能認定試験
(主催団体 (財)日本医療教育財団)
介護事務全般の知識や技能を認定する試験。

・福祉事務管理技能検定試験
(主催団体 医療秘書教育全国協議会)
介護報酬請求事務の能力や、介護保険制度をはじめとした社会保障制度全般の知識について審査、認定される。

・医事情報システムオペレーター
(主催団体 全国医療関連技能審査機構)
近畿地方を中心に実施されており、医療事務の基礎をふまえた上での、カルテやレセプトの入出力など、医療事務に関わるコンピューターの操作技能が問われる。

・医療情報システムオペレーター
(主催団体 全国医療関連技能審査機構)
近畿地方を中心に実施されており、医療事務の基礎をふまえた上での、電子カルテシステムなどの医療事務に関わるコンピューターの操作技能を、システム面にまで踏み込んで問われる。

・医事オペレーター技能認定試験
(主催団体 (財)日本医療教育財団)
医療事務コンピューター(レセコン)の操作・処理に関する知識と技能のレベルが評価、認定される。

その他、医療事務関連以外の資格にも、自分のスキルアップのために役立つ資格があるので、挑戦してみましょう。

4つの学習方法


医療事務関連の資格取得を目指して、勉強を始める前に、自分にあった学習方法を見つけましょう。

学習方法には、次の4つがあります。

・通学講座
効率的に勉強できる通学講座は、短期間での資格取得を目指せる、最も一般的な学習方法でしょう。

講師から直接指導を受けられるので、質問もしやすく、理解も早いでしょう。

独学や通信講座に比べると、費用は多少高くなります。

無理なく通える場所にスクールがあるなら、社会人向けの夜間・土日の授業コースが開講されている所もあるので、比較的通いやすいでしょう。

・ 通信講座
時間や場所の制限が少なく、自分のペースに合わせて学習できるのが魅力ですが、その分、勉強をやり遂げる強い意志を必要とします。

カリキュラムは通学講座とほぼ同様で、サポート体制も充実しているようです。

費用は通学講座よりは、手頃な価格の設定のところが多いようですが、インターネットやDVD、ビデオを使った通信講座の場合は、通学講座と同等の費用がかかるところもあるようです。

・ 専門学校・短大
時間をかけて、じっくりと勉強するなら、専門学校や短大でしょう。

費用は他の学習方法の中で、最も高くなりますが、資格取得だけでなく、医療事務以外についても学ぶことができます。

設備やサポート体制も充実していて、就職率も高いようです。

・ 独学
最も経済的に学習するなら、独学ですが、必要な資料や、テキストなどを自分で用意しなければならず、通信講座よりも、強い意志と根気が必要になってくるでしょう。

医療の分野は専門性が高いので、はじめて医療関連の分野に踏み込む人には、あまり向かない学習方法だと思われます。

しかし、すでに医療機関で実務を経験している人などにとっては、経済的な学習方法でしょう。

このような、さまざまな学習方法の中から、現在の自分の生活環境や、自分の性格などを考慮した上で、最適な学習方法を選びましょう。

学習計画


まずは、自分の取得したい資格を決めましょう。
医療事務関連の資格には、似たような名前が多いので、各資格試験の主催団体などについても調べておきましょう。

また、自分が就職を考えている医療機関によって、ふさわしい資格も変わってきますので、注意が必要です。

次に、自分にあった学習方法を決めましょう。

通学、通信、専門学校・短大、独学の4つのスタイルから、自分に合った学習方法を選ぶことが大事です。

そして、学習計画を立てます。
選んだ学習方法によって、計画の組み方が変わります。

通学、専門学校・短大の場合は、スクールや学校のカリキュラムに沿って、学習を進めていけばよいでしょう。

通信講座、独学の場合は、具体的に計画表を作成することが大事で、計画表を作成するために、自分の目指す資格の試験日を調べ、試験日から逆算して計画を立てましょう。

試験日を確認したら、今から試験まで、自分にどれくらいの時間があるか把握しましょう。

通信通学講座での受講期間は3ヶ月から半年ぐらいが一般的で、独学の場合だと、半年から1年半ぐらいの期間が必要でしょう。

学習計画は、基本をしっかり学習する前半期、実践的な知識を身につける中盤期、前半期と後半期の総合学習をする後半期と大きく3つの期間に分けて立てましょう。

学習計画を立てる上で、注意しておきたいことは、無理なスケジュールを組まないことです。

最後までやり遂げる強い意志と、自己管理能力はどの学習方法にも必要なものです。

だからこそ、心と体を休めるための日ぐらいは作っておきましょう。

通学講座


短期間で効率よく、資格取得することを目指す通学講座は、予備知識を持たない初心者を対象にカリキュラムが組まれていますので、これから医療事務の学習を始める人も安心でしょう。

医療事務関連の資格では、医学用語や医療保険制度についてなど、覚えなければならないことがたくさんあり、要点を抑えた効率的な学習が必要です。

学習を指導してくれる講師の存在は、非常に心強く、分らないことをその場で質問でき、即座に理解できることは、通学講座ならではです。

また、通学講座には、同じ時期に学習を開始する、同じ資格取得を目指すクラスメイトがいます。
さまざまな情報交換ができることももちろんですが、他のクラスメイトに触発され、自分自身の学習意欲を高めることにもつながるでしょう。

通学講座でかかる費用は、一般的に6~10万円程度ですが、入学金が別に必要なところもあるようなので、資格取得までの総額をしっかりと確認しておきましょう。

受講期間は、スクールや受講するコースによってもさまざまですが、だいたい3ヶ月から半年ぐらいでしょう。

医療事務の資格講座は、さまざまな企業や団体によって開設されており、サービス内容やサポート体制もさまざまで、中には良心的とはいえないような団体もあるようです。

そのため、受講する講座を慎重に選択することが必要です。

いくつかの講座の資料を取り寄せ、講座を比較し、資料を読んだだけでは分らないことなどは、電話で問い合わせするなど、慎重に検討することが大事です。

また、無料見学会や体験授業、無料カウンセリングなどを実施している所もありますので、参加してみるのも良いでしょう。

授業の雰囲気やスクールの対応などもチェックしておきましょう。

通信講座


時間や場所に比較的とらわれない通信講座は、仕事や家事でスクールに通えない人や、スクールが近くにない人、自分の好きなペースで学習したい人などに合っているでしょう。

医療事務関連の通信講座は、通学講座のカリキュラムとほぼ同等で充実しているといえるでしょう。

また、テキストのみの講座だけでなく、ビデオ、DVD、インターネットなどを使用した講座もあります。

通信講座でかかる費用は、5~7万円程度で、通学講座よりは低く設定されているようですが、ビデオ、DVD、インターネットなどを使用した講座については、通学講座と同じくらいの費用がかかるでしょう。

受講期間はだいたい3ヶ月半から半年くらいで、受講開始日が決まっていないので、いつからでも学習をはじめることができます。

通信講座も、通学講座と同様にさまざまな講座があり、場所の制約がない分、通学講座より選択肢は多くなるでしょう。

自分が目標とする資格を取得するために、最適な講座を選びましょう。

いくつかの講座の資料を取り寄せ、わからないことは電話で問い合わせるなど、慎重に検討しましょう。

通信講座の場合、質問は電話やファックスなどでやりとりされるので、対応が誠実で、質問に的確に答えてくれるかが重要になります。

通信講座では、終了認定試験も自宅で受けられる事が多く、学校に行く必要がないので、対応の良し悪しは、最初の問い合わせの電話でしかチェックする事ができず、ここでの相手の応対は重要になってきます。

通信講座では、有効期間や、延長可能期間が講座によって設定されています。

期間内に終了できない事も想定して、講座の有効期間や延長可能期間を確認しておく事も必要です。

また、通信講座は、直接スクールの関係者と会う機会は少なく、全く会わないこともあるため、通学などに比べるとトラブルが起こる確率が高いといえます。

十分に注意して講座を選んでください。

専門学校・短大


じっくりと時間をかけて、深く学習したい人は、専門学校や短大が向いているでしょう。

医療事務関連の専門学校は、大きく医療福祉系とビジネス系に分けることができます。

医療福祉系の専門学校では、学科やコースの内容が細分化されていて、カリキュラムの内容も分野ごとに、より専門性が高くなっています。

ビジネス系の専門学校では、医療事務に関する知識の他に、一般的なビジネススキルも身につけられるようなカリキュラムになっています。

また、医療現場での体験実習ができることも魅力の一つです。

多くの専門学校や短大では、医療機関での実習カリキュラムが組まれています。

実際の医療の現場に行く事で、患者さんとの応対を学ぶことや、会計やカルテの業務を体験できるので、自分が将来希望する職種を決めるときに、参考になるでしょう。

専門学校や短大では、合同企業説明会を開く、面接マナーについての指導をするなど、
就職へのサポート体制が非常に充実しています。

また、医療関係の求人情報も数多く集まるので、就職率は非常に高いようです。

専門学校や短大では、だいたい1年から3年と長い時間をかけて、じっくりと学習していきます。

学習する内容も深く、期間も長いので、やはりそれなりの費用がかかってきます。

専門学校で、年間60~100万円、短大では、年間120~150万円ぐらいが必要であると思われます。

専門学校や短大は、一般的には高校卒業後の進路だと思われがちですが、社会人になってから転職を考え、入学している人も増えているようです。

働きながら学習したい人のために、夜間のコースを設けている学校もあるようです。

学校説明会などに参加して、学習環境や学校の雰囲気などをチェックしておきましょう。

独学


医療機関で働いていた経験がある人や、実際に働いている人など、ある程度、基礎的な知識をもった人でないと、独学で勉強するのは、難しいかもしれません。

時間や場所にとらわれず、自分のペースで学習できることや、通学や通信に比べて、かかる費用が少ない事などは、大きな魅力でしょう。

しかし、医療事務の学習に必要な、診療報酬点数表の理解は、全くの初心者には非常に困難です。
身近に教えてくれる人がいるなら、話は別ですが、専門性の高い医療事務関連の学習を、一人で行うことは、相当な時間と覚悟が必要になってきます。

医療事務の資格の中には、特定講座を修了した人しか、受けることができない資格もありますので、独学の場合は、受験資格が「不問」の資格である必要があります。

また、独学で学習しやすいように、資料やテキストが、比較的見つけやすい、知名度の高い資格を選ぶことも大切で、医療秘書技能検定試験や診療報酬請求事務能力検定試験などは、過去問題集や参考書も多く出されているようです。

独学で学習する場合、きちんとした自己管理が必要です。

「いつでもやれる」は「いつまでたってもやらない」になってしまうこともあります。

通信通学講座のカリキュラムを調べるなど、試験日から逆算した無理のない学習計画を立て、それをしっかりと実行していきましょう。

他の学習スタイルと違って、独学の場合は、試験に関する最新情報が得にくい状況にあります。

医療事務に関する法律や制度などは、一定期間ごとに改定されます。
インターネットや新聞などで、情報をこまめにチェックしましょう。

出題傾向も、過去問題集などを見て、しっかりと把握しておきましょう。

教育訓練給付金制度


教育給付金制度とは、働く人の能力開発への取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした、雇用保険の給付制度のことです。

この制度は、厚生労働大臣が指定した教育訓練(通学や通信講座など)を受講し、終了した場合、受講料の一部が、ハローワークから支給されるものです。

厚生労働大臣に指定されている講座かどうかは、中央職業能力開発協会の公式サイトで確認する事ができます。

給付額は、雇用保険の被保険者期間が3年以上5年未満の人で、受講料の20%(上限10、万円)、5年以上の人で40%(上限20万円)でしたが、改正雇用保険法に伴い、平成19年10月1日以降に指定の講座の受講を開始する人は、被保険者期間によって異なっていた給付率及び上限額が一本化され、被保険者期間3年以上で20%(上限10万円)になりました。
そして、本来は、3年以上の保険者期間が必要である受給要件が、初回に限り、被保険者期間1年以上で受給が可能になりました。

支給対象者の条件としては、

・ 雇用保険の一般被保険者であり、3年以上の勤務期間があること。
同一会社に3年以上でなくとも、複数の会社の勤務期間を合計して、3年以上あれば対象となりますが、再雇用までに、1年以上の時間が空いている場合は、無効となります。

・ 雇用保険の一般被保険者であった期間が3年以上あった人で、一般被保険者資格を喪失してから、受講開始まで1年以内であること。

また、一般被保険者の方は、65歳の誕生日の前日に一般被保険者でなくなり、高年齢継続被保険者として、資格が切り替わりますので、受講開始日が66歳の誕生日の前日以降にある場合は、支給対象になりません。

過去に教育給付金制度を利用したことがある人は、過去の受講開始日より前の被保険者であった期間は通算されませんので、過去の受講開始日以降3年以上の、雇用保険の一般被保険者期間がなければ、新たに制度を利用することはできません。

支給申請手続きは、自分の住所の管轄のハローワークで行い、教育訓練の受講終了日の翌日から1ヶ月以内に行わなければなりません。

提出する書類は、教育訓練給付金支給申請書、教育訓練終了証明書、領収書、本人・住所確認書類(免許証など)、雇用保険被保険者証などが必要です。

教育訓練給付対象期間延長通知書、返還金明細書は、場合によって必要になります。

また、不正受給した場合、受給した金額の返還に加え、返還額の2倍の金額が請求されます。
場合によっては、詐欺罪として刑罰に処せられることもありますので、支給申請は正しく行いましょう。

医療事務の資格


医師や看護師には国家資格が必要ですが、医療事務関連の資格には、国家資格はなく、民間資格になります。

そのため、医療事務の仕事をする上では、必ずしも資格が必要とされるわけではありません。

しかし、資格をもっていることは採用試験や面接に、有利に働くこともあるでしょう。

医療事務の仕事に就いてから、通信教育や夜間の専門学校に通うなど、資格取得を目指して勉強する人も多いようです。

資格を取得することで、しっかりとした知識が身につき、自信にもつながります。

医療事務の資格には、30種類以上の資格があり、代表的なものだけでも、10種類近くあります。

資格は、医科・歯科・調剤・介護に大きく分けられ、他にも医療秘書やレセコン、診療情報の管理者資格などもあります。

これは、医療事務の仕事が、幅広い業務であることに加え、そのため大きな病院での分業制などによって業務が細分化されていることや、事務の電子化など、専門分野に特化する傾向があるからです。

また、医療事務職員として働く場所も、病院、診療所などの各医療機関の他に、医療事務の派遣や、レセコンのインストラクターといった、より専門的な仕事が増えていることにも関係しているようです。

このように、医療事務の資格は種類が豊富で、調剤薬局には調剤薬局に関する資格があるなど、目標とする職場によって、どの資格がふさわしいかも考えなければなりません。

しかし、まずは、医療事務の業務を全体的に網羅するような標準的・基礎的なタイプの資格を取得し、その後、特定分野に特化された資格取得を目指すのが良いと思われます。

医療事務の資格の中には、厚生労働省が認可した財団法人が主催している資格もありますが、多くは、民間企業や医療事務関連の教育機関などが、独自に試験を実施・運営・認定しているものです。

そのため、受験に際しての年齢や学歴の制限はありませんが、主催団体の指定する講座を終了しなければ受験資格を得られない場合や、実務経験を必要とするものもあり、注意が必要です。

また、医療事務の仕事には、専門的な業務だけでなく、書類の整理やパソコンの操作といった一般事務的な業務も多く含んでいます。

自らのスキルアップを目指すなら、医療事務関連の資格のみならず、それ以外の資格取得にも取り組むことが必要です。

しかし、資格を取得することを最終目的としてはいけません。

取得した資格をどう生かしていくのかが、大切なのです。

法律の改正などによって、診療報酬に関する知識は日々、新しくなっています。
常に勉強をし続けることがなによりも重要です。

キャリアアップに役立つ資格


医療事務の仕事をする上で、取って損はない、キャリアアップに役立つ資格を紹介していきます。

・ 診療報酬請求事務能力認定試験
受験者数が多く、知名度も高い。医療機関からもっとも高い評価を得ている認定試験。
財団法人日本医療保険事務協会により、平成16年から実施されており、合格者には協会から認定証が交付される。
試験では、診療報酬請求事務(レセプト業務)についての能力が問われ、実技試験と学科試験とがある。

・ 医療事務技能審査試験
医療関連の資格の中では、受験者数がもっとも多く、知名度も高い。医療機関からも高い評価を得ている。
財団法人日本医療教育財団により、昭和49年から実施されている歴史のある試験。
合格者には「メディカルクラーク」の称号が付与される。
医科・歯科それぞれに1・2級があり、レセプト業務だけでなく、医療機関の事務業務全般の知識や技能が審査される。

・ 医療秘書技能検定試験
医療秘書や医療事務に携わる人のための試験。
医療秘書教育全国協議会により、実施されており、1級・準1級・2級・3級があるが、どれでも受験可能で、受験資格は問われない。
試験は、診療報酬請求だけでなく、医療法規・医療用語、実務におけるビジネスマナー、経営に関わる能力などの幅広い知識と、専門性が問われる内容になっている。

・ 医事コンピューター技能検定試験
医療機関での、コンピューターによるレセプト作成が標準化されるなかで、重要性の高い資格。
完全コンピューター化の流れに先立ち、平成8年に生まれた試験で、受験資格は問われない。
コンピューターの基礎知識、医療事務及び医事コンピューターを使用したレセプト作成能力が問われる。

さまざまな試験


試験の中には、日本医師会主催で特定の養成機関の卒業が義務づけられている試験や、日本医療事務協会の講座を受講した人のみを対象とした試験、社団法人 日本病院会主催で、学校や通信教育を受ける必要のある試験など、さまざまな試験があります。

調剤事務管理士技能認定試験など、調剤薬局での調剤報酬請求の技能を問う試験もあり、調剤薬局に勤めている人や、調剤事務を目指す人など、特定の職場で働く人に向いている資格もあります。

試験は「法規」「調剤報酬請求事務」の2学科に分かれており、調剤報酬明細書作成の実技もあります。

合格すると、「調剤事務管理士」の称号が付与されます。

また、医療事務関連以外の資格にもキャリアアップに役立つ資格があります。

・ 秘書技能検定試験
実務技能検定協会によって実施されており、一般企業などでの業務が想定されている秘書検定試験の定番といえる試験。
1級、準1級、2級、3級があり、2級以上の資格があれば、就職に有利。

医療機関での業務を対象に行われている医療秘書よりも、幅広い対応ができる資格といえます。

・ 日商簿記検定
日本商工会議所が実施、簿記検定の定番といえる。
1級から4級まであり、1級はかなりの難関。

この他にも、パソコン検定試験や、マイクロソフトオフィススペシャリストといったパソコン関連の資格も、医療機関のOA化により、持っていると有利でしょう。

また、介護関連の資格は、高齢化が進むこれからの日本では、いっそう注目を集めることになるでしょう。

診療報酬点数表


医療事務関連の資格取得を目指しての勉強方法は、色々ありますが、その勉強の中で、必ず使用される本があります。

それは、診療報酬点数表です。

医療費は、全国どこの病院でも、すべて点数に置き換えて計算され、レセプトは、患者さん一人ひとりの、1ヶ月分の診療内容を点数に置き換え、国の支払機関などに提出されます。

診療報酬点数表とは、厚生労働大臣が定める医療費計算の基礎となるものです。

私たちが保険証を使って診察を受けた場合の、診療行為の価格の一覧表で、価格は点数で表示されています。
どの医療機関でも、これに基づいて患者さんの医療費が算定されます。

たとえば、風邪を引いて病院に行き、薬を3日分もらった場合、初診料や飲み薬、調剤料などが診療報酬点数早見表で調べられ、点数が計算されます。

合計点数×10円(1点が10円で計算される)が医療費となり、その一部が患者さんの負担となります。

残りは、保険者によって支払われます。

このように、診療報酬点数表は請求を行う際に、無くてはならないものです。
したがって、これが読めないと、仕事にならないといってもよいぐらいでしょう。

この診療報酬点数表は、一般医科用、歯科、調剤報酬に分類されています。

この診療報酬点数表は、少々難解に書かれていますので、初めのうちは、なんだかよく分からないと思います。
しかし、順番に、繰り返し読んでいくと書き方のパターンが理解できてくるでしょう。

資格試験にも実務にも重要な1冊なので、読みこなせるようになりましょう。

資格試験の出題範囲


出題範囲は、各検定によって違いますが、主な4つの分野について見てみましょう。
試験によって、出題されない分野もあるので、受験する試験の要項で、確認しておくことも必要です。

・ 医療事務
試験の中心で、必ずすべての試験で出題されるのが、診療報酬の算定です。

カルテを見ながら、1日分ごとの診療報酬を算定し、レセプトを作成します。
受験する級によって、外来と入院どちらかの場合と、難易度を変えて両方出題する場合とがあります。

出題形式も、すべて手書きで解答するものや、穴埋め、穴埋め選択式、選択式の文章問題と、試験によってさまざまです。

・ 医療保険制度
実際に医療機関で働く場合、保険や公費の知識は絶対に必要です。
そのため、保険制度についての出題は、必ずあります。

医療保険の給付内容、公費負担医療制度の種類・内容や、介護保険、労災など医療保険以外の保険についても出題されています。

ほとんどの検定試験は選択式の問題のようです。

・ 医学知識
これは、試験により出題されないこともあります。

医学知識は、簡単な解剖・生理からカルテ用語までさまざまで、具体的には、臓器の名称、病名の略語、難しい漢字の傷病名などであり、ほとんどが選択式の問題のようです。

・ 医療秘書実務
一般的な秘書実務の他に、医療事務員としての資質を問う問題もあり、職務範囲や、守秘義務などに関すること、窓口応対で、実際に患者さんと接する場面を想定したものなどです。

出題形式は、試験ごとに記述式と選択式があるようです。

就職先


まず、就職先について考えてみましょう。

勤務条件や、目的、目指すものは人それぞれ違います。

お給料が高いほうが良いとか、時間に融通がきくほうが良いとか、業務内容にこだわるとか、医療事務の仕事は、業務が幅広く、業務内容も医療機関や部署によってさまざまです。

まずは、自分の希望する勤務形態や、業務内容などについて考えてみるとよいでしょう。

しかし、必ずしも自分の希望する職場につけるとは限りません。
条件が多いほど、当てはまる所は少なくなるでしょうし、望んで就職した所も自分の理想とは、違っていたりするかもしれません。

ですから、就職を考える際には、良いところばかりに目を向けない事も必要です。

例えば、お給料が良いところは、仕事もハードな所が多いようですし、難しくはない業務だと、スキルアップにはつながらないかもしれない、知名度の高い医療機関は、チャンスも広がりそうだけれど、希望の部署につけるかは分らない、など短所も考えておくことで、就職してから、戸惑うことも少ないと思います。

しかし、短所を考えすぎて不安になり、就職先を決められなくなると困りますので、自分の条件の優先度と照らし合わせ、希望の就職先を絞り込んでいきましょう。

医療機関でなくとも、どこかで働いた経験のある人は、自分が何をしたいか、自分が求めるものが何か、分ってきていると思うので、それを生かしましょう。

主観だけで目標を絞り込みすぎずに、自分が患者さんに対して何をしてあげたいか、何ができるかを頭に置いておくことも大事です。

求人情報


医療事務の求人情報も、一般企業の求人情報と変わらず、新聞や求人情報誌、ハローワークやインターネットの求人サイトなどで、さまざまな求人情報を得ることができます。
特に、ハローワークは、医療機関が求人を出すのに利用する事が多く、手軽に求人情報の検索、求人情報のプリントアウトができ、医療機関への紹介や就職相談なども行っているので、利用してみましょう。

ハローワークでは、地域の総合的雇用サービス機関として、さまざまなサービスが無料で提供されています。

・ 窓口での職業相談・職業紹介
就職の相談や、希望の仕事への紹介を行っています。

・ 求人情報の提供
そのハローワークの管轄以外の近くのハローワークの求人情報も検索することができます。
求人自己検索パソコンのオンラインシステムを使い、県外の仕事を探すことも可能です。

・ 雇用保険の給付
離職してから再就職まで、失業期間ができる場合、失業給付等を支給してもらえます。

・ その他
仕事に関する幅広い情報提供がされていて、就職するのに必要な能力を身につけるための訓練コースなどの情報や、希望する職業の平均賃金、求人求職情報や、必要な資格、経験などが提供されています。

また、派遣での医療機関への就業も考えられます。

派遣により、医療事務を経験する人も増えており、派遣会社で、詳細な希望を登録しておくと、それに合った職場を紹介してもらえます。

医療・福祉関連に強い派遣会社も多くあるようなので、インターネット等で検索してみましょう。

派遣であれば、さまざまな職場に派遣されることも考えられるので、さまざまな職場を体験することが、できるかもしれません。

専門学校や短大、スクールで、医療事務を学んでいる人は、そこから求人情報を得られる事もあるので、先生や講師に相談してみるのもよいでしょう。

履歴書・職務経歴書


応募するにあたって、履歴書・経歴書の書き方も重要になってきます。
きちんと書けるようになりましょう。

まずは、履歴書ですが、医療事務という職業柄、書類の書き方は特に重視されるでしょう。

黒のボールペン等で、しっかりと丁寧に、手書きで書きましょう。

ポイントは自己紹介の部分です。

免許・資格の項目は、正式な年月と正式な名称を書きましょう。
特に医療事務関連の資格には、似たような名称が多いので注意が必要です。
また、直接関連がないような免許・資格もアピールポイントになるので書いておきましょう。

趣味・特技・得意科目の項目では、人間性や性格を判断されることもあるので、しっかりと記入しましょう。

志望動機は、最重要項目です。
医療事務職または、その職場に対する正直でまっすぐな気持ちと、将来的な考えなどの熱意や、患者さんに対して抱いている思いがあれば書きましょう。

最後に希望記入欄には、これだけはゆずれないという条件があれば、書いておきましょう。

次に職務経歴書ですが、これは、これまでの職務経験をアピールするための資料なので、時系列に、見やすく分りやすく記入しましょう。

いつ・どこの会社や医療機関で、どのような配属や職種だったか、何を・どのようにして・どうなったのかを書くとよいでしょう。

実績などは、数値で示せれば分かりやすくなります。

成功した経験は、どのような経験から、どのような結果が生まれたのかを、分りやすく記入しましょう。

失敗体験も、そこから何を学んだか、どう生かしたかを記入し、アピールポイントにしましょう。

職務経歴書は、パソコンで作成しても良いケースがあるので、応募前に確認しておきましょう。

枚数はA4サイズで1~2枚程度にまとめ、レイアウトに統一感をもたせる、文章は簡潔に、箇条書きで書くなど、見やすくなるよう工夫しましょう。

自己PRは、収集した情報を生かして、具体的に書きましょう。

書類を郵送する場合は、表書き(添え状)をつけましょう。

正式な宛名(所属・担当者の氏名)、日付を入れ、拝啓から敬具で終わる公式の手紙文、または、正式でなくとも、自分の思いを一筆そえることが大事です。

日付や名前は職務経歴書にも、きちんと明記しましょう。

身につけておきたい一般教養


一般教養とは、専門的、職業的教養に対して、広く一般に必要とされる教養のことです。

一般教養は、病院などの医療事務採用試験で、出題されることがあります。
試験以外でも、面接時に、教養を問う質問がされることもあるようです。

一般教養を身につけるには、普段からの積み重ねが必要です。

まずは、毎日、新聞を読む習慣をつけましょう。
前ページ読む必要はありませんが、まず、一面をチェックしましょう。
その日一番のニュースを抑えておくわけです。

そして、必ず読んでほしい部分が、医療・福祉・介護などに関する記事です。

これから医療事務として、医療現場で働く上では、法律の改正や、社会の動きを把握しておく必要があります。

気になる記事は、切り抜いてスクラップブックに貼るなど、ファイリングをしましょう。
そうすることで、社会全体の流れや医療に関する状況の変化などが見えてくるはずです。

語彙力アップのために、分からない言葉、読めない漢字などは、必ず調べる癖をつけましょう。

パソコンを活用して、知らないことを徹底的に調べるなど、関連の情報や知識を広げていきましょう。

医療事務の業務の中で必要な、計算などの数学の部分ですが、これはあくまで仕事上は、算数のレベルで十分なので、就職試験でもそれほど難しい問題は出題されないと思われますが、苦手な人は、しっかりと復習するほうが、よいかもしれません。

その他に、歴史や政治などの社会的な教養も身につけておきましょう。

面接試験


さて、目標の就職先も決め、応募もして、いよいよ面接試験です。

面接試験は、自己アピールの場です。

しかし、緊張感のある本番で、すらすらと自己アピールができる人は少ないでしょう。
伝えたいことが半分も言えなかったら、相手に何も伝わらず、不採用になってしまうかもしれません。

そうならないために、本番に備えて、自分のアピールポイントを文章にし、準備をしておきましょう。

医療事務以外の面接でもそうですが、必ずといってよいほど、なぜ医療事務職員になりたいか、という志望動機や、医療事務職員として大切なことは、といった心構えを聞かれます。
定番の質問なので、前もって答えを考えておきましょう。

中には、その病院の受付の対応を聞く病院や、インフォームド・コンセントについてどう思うか、などの専門的な質問をする、医療機関もあるようです。

一方で、小さな診療所やクリニックでは、院長や院長の奥さんが面接をすることが多く、質問の内容についても、通勤時間や家族のことなど、働く上でより具体的なことが多くなるようです。

アピールポイントを文章化したら、家族や友人を相手に、実際に面接の練習をしてみましょう。

面接本番の日は、服装や髪型、化粧に清潔感をもたせ、すっきりと、まとめましょう。

ご飯をしっかりと食べ、時間に余裕をもって、面接会場に行きましょう。

面接の場が医療機関内である場合は、最初のあいさつから、待合室での態度なども見られていると考えましょう。

面接では、自然な表情で、相手の目を見ながら、丁寧なやりとりを心がけましょう。

採用されたなら、自分に求められている役割をしっかり果たし、スタッフとの信頼関係を大切にし、自分の持てる能力を最大限に発揮し、活躍してください。

もし不採用でも、相性が悪かったとわりきって次の目標を目指しましょう。
次に向けて、反省点を活かすことも大切です。

About 2007年08月

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